アナフィラキシー
急性で重いアレルギー反応。
蕁麻疹などの皮膚の症状や、呼吸困難などの呼吸器症状、
血圧低下、意識障害など重い症状を呈することが多い。
中にはショック状態に陥り死亡することもある(アナフィラキシーショック)
抗生剤(抗生物質・抗菌剤)のアレルギー反応について
( 皮内反応の有用性と安全対策などについて)
皮内反応の有用性について
テストで陰性になってもアレルギー反応を起こす方が
少なからずいらっしゃったり、逆にテストが陽性でも実際の投与では
アレルギー反応が出ない方もいらっしゃるなど、皮内反応の有用性が
疑問視され、現在では薬剤の添付文書の注意書きから
「事前に皮膚反応を実施することが望ましい」という文章が
削除され改訂されています。
アメリカでは抗菌剤の皮内反応テストは実施されていません。
アナフィラキシー様症状やショックなどの安全対策について
十分な問診を行う、アレルギー歴を必ず確認する、
投与中は観察を十分に行い、救急処置の準備をしておくこと
などが重要視されています。
アナフィラキシー様症状と対策
前駆症状として、局所的な症状では、注射部位から中枢(心臓の方向)
に向かって皮膚の発赤、痒み、腫れ、痛みなどの症状が出現。
全身症状としては、注射部位以外の発疹、痒み、熱感、しびれ感、
咳、喘鳴、のどの異常感(むくみなど)、喉の渇き、気分不快、
冷汗、悪寒、頭痛、眩暈、耳鳴り、不安感 などがあります。
※上記の様な症状が出現したら、速やかに投与を中止します。
アナフィラキシー様症状が出現する前に、
即ち、重いアレルギー反応が起こる前に、
早期に異常を発見して適切な処置をします。
ショック及びアナフィラキシー様症状の程度と対処
軽症: 重いアレルギー反応(アナフィラキシー)があるが、
血圧低下や意識障害、呼吸困難などの症状がない場合(軽度の症状)
補液
抗アレルギー剤や副腎皮質ホルモン剤の投与
場合によっては、酸素吸入の実施、アドレナリンの投与
バイタルサインのチェック、全身状態の観察を十分に行い、
ショック時に備えて血管確保の確認と救急処置の準備をします。
※輸液や救急薬品、酸素吸入、挿管セット、痰の吸引セット、
心電図モニターなど 救急カート内の確認
中等症
から重症 の場合
中等症: 血圧低下と呼吸困難が軽度見られる場合(中等度の症状)
重症: 血圧低下、意識障害、呼吸困難が見られる場合(重度の症状)
呼吸器の管理: 酸素吸入、気道の確保(気管内挿管や気管切開など)
人工呼吸器の装着、吸引
循環器の管理: 補液と救急薬品の投与
(カテコラミン類、ステロイド剤、抗ヒスタミン剤など)
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※参考文献・一部引用
厚生労働省HP内 平成16年(2004年)10月 厚生労働省医薬食品局
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2004/10/h1028-2a.html
※その他の参考文献 ⇒ 「参考文献一覧」
開設日: 2010/08/26
「注射と点滴に関する用語集」(ナースのホームページ内)
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